若手騎手の活躍と日本調教馬の参戦

 騎手は他のスポーツ選手に比べ、現役生活を長く続けている人が多く、去年惜しまれながら56歳で引退した岡部幸雄は特別としても、ベテラン安藤勝己も46歳でまだまだ健在。今年のドバイは振るわなかったとはいえ、キング・ジョージ5勝の凄い記録を持つ、ミック・キネーンはもうすぐ47歳。しかし今年のドバイWCデーでは、勢いある若手の活躍が光りました。

    レース 着順     馬     騎手 年齢
ゴドルフィン・マイル  1 ユートピア 武豊  37
UAEダービー  1 ディスクリートキャット フランキー・デットーリ  35
ドバイ・ワールド・カップ  1 エレクトロキューショニスト フランキー・デットーリ  35
ドバイ・ゴールデン・シャヒーン  1 プラウドタワートゥー デヴィッド・コーエン  21
 6 アグネスジェダイ 吉原寛人  22
ドバイ・シーマ・クラシック  1 ハーツクライ クリストフ・ルメール  26
ドバイ・デューティー・フリー  1 デヴィッドジュニア ジェイミー・スペンサー  25

 中でもドバイ・ゴールデン・シャヒーン優勝の騎手、デヴィッド・コーエンは、NCAAのMVPヨアキム・ノア(かってのテニス仏チャンピオン、ヤニック・ノアの息子)と共に、今アメリカのスポーツ界で話題沸騰の21歳です。数少ないユダヤ系騎手コーエンは、ユダヤ系住民の子弟の間では新時代の英雄と崇められています。またジェイミー・スペンサーは、名騎手ミック・キネーンの後任として、2004年にアイルランドのバリードイル専属に抜擢されたものの、重圧のあまり1年で契約を解除してしまいますが、今回の優勝で逞しく成長した姿を見せてくれました。そして上位5着を占めるアメリカ馬にしつこく喰らい付いたアグネスジェダイの吉原寛人、地方競馬(金沢)からの参戦というのも、実に頼しいじゃありませんか。来年もぜひドバイに挑戦してもらいたいですね!

 日本馬の参戦で今も記憶に残る悲しい想い出があります。1997年ドバイWCに出走したホクトベガが、転倒事故によりその場で安楽死処分となったのです。そして2001年ステイゴールドのドバイ・シーマ・クラシック1着と、トゥザビクトリーのドバイWC2着(共に武豊騎乗)の好成績により、日本馬の実力と日本人騎手の力量を世界に知らしめました。
 しかしこれ以降、日本馬はドバイで目立った成績を挙げられませんでした。2004年日本のダート王アドマヤドンの惨敗(8位)により、芝路線を主戦場とする日本馬にとってドバイのダートは不利(日本のコースはダート・土というより砂に近い)、無理して参戦するべきでないとの声も多く聞かれました。実際このところ、日本馬の海外遠征は減少の傾向にあり、他の人気スポーツに較べて、時代に逆行している感は否めませんでした。
 長距離の輸送や、蹄鉄の違いによるハンデ(海外では使えるスパイク鉄が日本では許可されていないなど)、馬に対するリスクが大きすぎるという以上に、ごく一部を除きアウェイでの勝負(海外遠征)に厩舎自体が慣れてなくて、非常にナイーブになってしまうことにも問題がありました。レース当日になりコースに散水して、コンディションを変えられてしまえば勝ち目はない。このアウェイの洗礼を「謀られた」と受け取り怖気づくようではまだまだ。サッカー周辺の仕事が多い私としては、どうしても比較してしまい、正直なところかなり歯がゆい思いをしていました。ところがどうでしょう、11回目の今年2006年はかつてない9頭の日本馬の参戦が決定し、後は今更述べるまでもない今回の快挙!もう内弁慶とはいわせない、日本馬の底力を世界に見せつけてくれて鼻高々でした。

 

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■ 写真について MIYOKO Akiyama撮影