2009年4月6日


■ ドバイ・ワールドカップ・レポート

 
 昨年、オープンされたドバイ空港第3ターミナルに降り立った。以前の第一ターミナルの時とは違って広さばかりか入国の手続きもスピーディであった。
 今回のドバイW−CUPはナドアルシバ競馬場での最後の開催ということもあり、どういうドラマが展開されるか非常に楽しみであった。
 一昨年「ドバイデューティーフリー」で武豊騎手騎乗のアドマイヤムーンが優勝し、今年こそはダイワスカーレットで「ドバイ・ワールド・カップ」優勝と、期待していたが残念ながら出走回避となり、カジノドライブでの参戦となった。 昨年の日本馬惨敗の雪辱を晴らすためにも、武、安藤両騎手の手腕に期待したい。

■メイダン競馬場
 
  
 
 来年、現在のナドアルシバ競馬場に代わりオープンする競馬場であるが、といってもほぼ隣接状態で、今のスタンドのところがレースコースに変わるような感じである。また新競馬場はスタンドの横にホテルが隣接し各部屋から観戦できるようである。他にもどんな趣向があるか楽しみでもある。
 今回のW−CUP終了後から、スタンドの取り崩しとレースコースの工事が同時並行するようだが、おそらく完成予想図にある隣接施設は来年以降となりそうだ。

  (左)ナドアルシバ競馬場のクラブハウスから見た新競馬場
  (中)建設中のスタンドとホテル(奥)
  (右)完成予想図 スタンドとホテルの裏は付帯施設
 

■枠順抽選会
 
  
 
 会場は日本でもお馴染みのバージュ・アル・アラブもあるジュメイラ地区のマディナジュメイラであった。
 1から6レースまでは既に枠順が決っておりその発表をおこない、日本馬は「ドバイ・ゴールデン・シャヒーン」のアドマイヤエールが11番「ドバイ・デューティー・フリー」のウオッカが3番となった。
  「ドバイ・ワールド・カップ」のみはオーナーがくじを引き決定する(そのくじの方法も凝っているが) カジノドライブは8枠に決定した。

  (左)式辞を述べるドバイ・レーシング・クラブ会長のサイード・アル・タイヤー氏
  (中)アメリカ産馬のため(USA)と表示されている
  (右)中央ががドバイ・ワールド・カップのトロフィー
 

■朝食会
 
  
 
 日本の競馬と違ってレース前の、枠順抽選会に始まり、この朝食会、アラビアンナイトなどのセレモニーを含めた楽しみがあるのがドバイW−CUPならではのものだろう。
 今回、あいにく前日からの雨がやまず、本来はコース前で開かれるが、クラブハウス内での開始となった。 運よく途中から、雨があがり屋外での朝食会となった。これで雰囲気も一気に盛り上がった。
 この朝食会は騎手、調教師などへのインタビューがあったり騎手と一緒に写真を撮ったり身近に接し会える場でもあり、ドバイW−CUP観戦には、はずせないものである。

  (左)談笑する参加者
  (中)インタヴューを受けるグレイグ・ウイリアムス(ドバイDF 4着)
  (右)インタヴューを受けるアラン・ガルシア (ドバイWC6着 UAEダービー1着 ゴドルフィン・マイル4着)
 

■アラビアンナイト
 
  
 
 関係者限定となるパーティで、毎年砂漠で開かれ、ラクダ乗り、花火、野外ショウと趣向を凝らした、まさにアラビアンナイトとよべる野外パーティである。
 ところがこのところの雨で不安定な気候状態をかんがみ、急遽会場がバブアルシャムズからワールドトレードセンターの大ホールに変更された。
 花火や野外特有の施設を使ったショウはなかったが、開催当日の場所変更にもかかわらずプログラムや食事などのサービスがなんら支障もなく進められたのも、常に宗教的行事で、行事変更が日常茶飯事のお国とはいえ、あらためて感心させられた。その切り替えの対応の早さには相変わらず恐れ入る。
 日本からの参加者も多く、中にはテレビでもおなじみのタレントも見かけられたが、なぜか彼らを取り巻くお付き連中がウロウロして、他の国の人の冷ややかな視線に、同胞として恥ずかしい思いをした。
 会場の変更であるがバブアルシャムズだと片道1時間半以上もかかるがそれが市内の中心で時間がかからなかった分救いだが、やはり砂漠の神秘的なムードの中でいろいろなアトラクションが楽しめなかったのは残念であった。

  (左)民族舞踊(背景にはmeydanの文字が)
  (中)参加者とベリーダンス
  (右)右より武豊、合田直弘、安藤勝己、奥様(?)、鈴木淑子の各氏
 

■ドバイ・ワールド・カップ・デイ
 
  
 
  
 
 当日も雨が心配され、午前中は天気も問題がなかったが、第一レース開始ごろから、やはり雨が降り出し、断続的な雨のなかレースが行われた。
 2レースでおなじみのフランキーデットーリ騎手のデットーリジャンプが観られた。 「ドバイ・デューティー・フリー」と「ドバイ・シーマ・クラシック」を制した地元UAEのアジュテビ騎手の活躍が特に目立った。
 日本馬はアドマイヤエールのみが4着に入り賞金を獲得したが、ウオッカ、カジノドライブとも賞金獲得は逃した。
 特にウオッカは一番人気であり日本の陣営もかなり自信があったのが、予想外の7着となり残念であった。控え室に戻る武騎手の「ちょっと信じられない」という顔が印象的でもあった。
 そして「ドバイ・ワールド・カップ」を制したのはA.グライダー騎手が手綱を握るアメリカ馬ウェルアームドであった。1番人気のアジアティックボーイは12着に沈んだ。
 後印象的なのは熱狂的に声援を送る一般席の観衆と非常にクールな王族たちの反応が対照的で面白かった。

  (上左)お馴染みのファッションショウ
  (上中)レース合間のお約束の花火
  (上右)地元UAEのアジュテビ騎手(ドバイ・デューティー・フリーとドバイ・シーマ・クラシックを制す)
  (下左)パドック入りするデットーリ騎手
  (下中)カジノドライブ按上の安藤勝己騎手
  (下右)雨にもめげず声援を送る一般席の聴衆
                                                                                                                         
      レース 賞金総額 着順     馬     騎手
R1 ドバイ・カハイラ・クラシック  25万$  1 フリヴォルース D.オドノー
R2 ゴドルフィン・マイル 100万$  1 トゥーステップサルサ L.デットーリ
     5 ブレイヴティンソルジャー C.ルメール
R3 UAEダービー 200万$  1 リーガルランソム A.ガルシア
   2 デザートパーティー L.デットーリ
R4 ドバイ・ゴールデン・シャヒーン 200万$  1 ビッグシティーマン J.ヴェレンズエラ
   4 バンブーエール 武 豊
R5 ドバイ・デューティー・フリー 500万$  1 グラディアトーラス A.アジュテビ
     7 ウオッカ 武 豊
R6 ドバイ・シーマ・クラシック 500万$  1 イースタンアンセム A.アジュテビ
     8 ドクターディーノ O.ペリエ
R7 ドバイ・ワールド・カップ 600万$  1 ウェルアームド A.グライダー
     8 カジノドライヴ 安藤 勝己

 

■振り返って
 
 今回は雨が本当に多かった。レース後アブダビにも足を伸ばしたが、夕方はジャケットが必要になるくらい涼しい気候であった。地球温暖化とは別に異常気象が進行しているのかもしれない。
 ドバイ行きの前、九州の佐賀に行ったついでに佐賀競馬場に立ち寄った。典型的な地方競馬場で廃止の瀬戸際にきているらしい。もちろんドバイW−CUPとは比較はできないが「地方競馬」は「地方競馬」なりのほのぼのした楽しみ方もあるので捨てがたい、こちらは何とか存続してほしいと、おもう反面、中央競馬あたりで外国から観光客を呼べるようなドバイW−CUPに匹敵する企画は出来ないものだろうかと思うのは、私だけではないだろう。
 ジャーナリストの田原総一朗氏が今年の初めドバイに行ったときのことを日経BPのサイトに書かれているが、その中で「日本から見ると中東というのは地の果てというイメージがあるが、逆に中東から見ると日本の方が地の果てなのだ。」といっているが、この地を訪れると、まさにその感が強まってくる。
スポーツにしろ、経済にしろ世界から取り残されないようにするためには、中東、特にGCCは目を離せない地域だ。

 ※GCC 湾岸協力会議:加盟国は、UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの6カ国
 ※文、写真とも秋山健太郎